久保です。こんにちは。 今月14日に「yoshiokubo」のフィジカルのショーを中目黒のオフィス内で開き、その模様と、それとは別に作ったショートムービーを合わせたコンテンツを、パリのファッションウィーク中にオンラインで公開しました。 今日はその時の制作裏話的なものを綴りたいと思います。
22−23年秋冬コレクションのテーマは「イカ上りikanobori」、今で言うところの凧です。「タコがなんでイカなのか」という説明はこちらで。
さて、今回も色々てんこ盛りなので、思い出した順にお話しします。
前回は、メンズブランドのyoshiokuboを女性モデルに着てもらいました。上手く女性にハマるようにスタイリストに工夫してもらい、まあまあ評判も良かったかと思います。
それに対して今回は、最初からショー用にウィメンズをゼロから作りました。これは前回との大きな違いです。例えば、スタンドカラーだと男女で首周りのフィットはだいぶ違いますからね。やっぱり完成度は今回の方が段違いにいいです。
工夫ということで言えば、双子のモデルに並んで歩いてもらったやつ。実は全く同じコーディネートの服ですが、違うように見せるために、一方にボーン(凧の骨組み)を入れました。このモデルが登場した場合、面白かったんじゃないでしょうか? ショーもたくさんやってきましたが、ここ1、2回でスタイリストやヘアメイクなどサポートスタッフを変えています。これも吉と出たようで、パワーアップしたなと感じました。
今までは作り手である河野君と僕だけで考えていたのですが、それだとどうしてもアイディアに天井があるんです。なので、みんなでディスカッションしてみたんですが、やっぱり広がりが出ますね。んで、ショーの面白さも増すわけです。
スタイリングは三田真一さん、ヘアメイクは奥平正芳さんにお願いしていますが、僕のストロングポイントであるディテールへのこだわりを三田さんが絶妙にスタイリングしてくれましたし、奥平さんが自作している骨組みのヘッドアクセサリーは服の色が白黒ベースで控えめなだけに、強いアクセントになりました。 僕らは服単体でもちろん目一杯の完成度を追求するのですが、服って着てもらってナンボ。服だけで完成形とは思わないんです。完成度高く作ったものを、さらに格上げしてくれるのが一緒にショーを作るスタッフなんです。ここ1、2回はほんまにそういう風に感じました。
記事の最初でも紹介した通り、今回は特別に映画監督の小島央大さんにショートムービーを撮ってもらいました。それで、公開してる動画は、はじめにショートムービー、その後に実際のフィジカルショーという構成になっている、というわけです。
ショートムービーはショー当日の午前中に撮影したのですが、めちゃくちゃ天気が良くて、風も適度に吹いて、すごく気持ちのいい映像になりました。
今回のテーマは「凧」ですから、つきものの風がないと話にならない。で、風って目に見えないから布のなびきで表現しなければならない。服が風になびき動くことで風の存在を見る人の目に焼きつけることができるーー。そんなことを考えながらムービーを上手く作ってもらいました。
ロケはオフィスの屋上で、手すりもないとこ。さらに寒かったですから、モデルさんも撮影隊も大変だったと思います。ありがたいことです。 そうそう、思い出しましたが、ショー当日に朝ごはんで卵を割ったんです。そしたら、黄身が双子だったんです!自分は縁起を担ぐとこがあるんで、ショーの成功は朝の卵割った瞬間に確信しましたね。笑
で、 ショートムービーとの組み合わせ含め、今回もやりたいことを目一杯やれてました。本当に良かったし、ショーの直後から30分ぐらいは興奮が続いてました。
ただ、31分ぐらいからは「言うても、まあまあやったかもな」と反省モードに。 「あの服、もっとディテール足しといた方が良かったな」とか「ステッチをあれと違うやつに変えとくべきやった」等々、出てくる出てくる…。
これってモノを作る人間の性(さが)みたいなもんかもしれません。目一杯やったはずやと思っても、終わってみたら物足りなさを感じて、次はもっと、もっとって。 逆に言えば、満足してしまったら次は作れないかもしれない。だって満足してるんやから。泳ぎ続けないとダメなマグロみたいなもんかもしれません。ちゃうかな?
いずれにせよ、次もまた頑張ります。 ご視聴いただいた皆さん、ありがとうございました。
22−23年秋冬コレクションのテーマは「イカ上りikanobori」、今で言うところの凧です。「タコがなんでイカなのか」という説明はこちらで。
さて、今回も色々てんこ盛りなので、思い出した順にお話しします。
前回は、メンズブランドのyoshiokuboを女性モデルに着てもらいました。上手く女性にハマるようにスタイリストに工夫してもらい、まあまあ評判も良かったかと思います。
それに対して今回は、最初からショー用にウィメンズをゼロから作りました。これは前回との大きな違いです。例えば、スタンドカラーだと男女で首周りのフィットはだいぶ違いますからね。やっぱり完成度は今回の方が段違いにいいです。
工夫ということで言えば、双子のモデルに並んで歩いてもらったやつ。実は全く同じコーディネートの服ですが、違うように見せるために、一方にボーン(凧の骨組み)を入れました。このモデルが登場した場合、面白かったんじゃないでしょうか? ショーもたくさんやってきましたが、ここ1、2回でスタイリストやヘアメイクなどサポートスタッフを変えています。これも吉と出たようで、パワーアップしたなと感じました。
今までは作り手である河野君と僕だけで考えていたのですが、それだとどうしてもアイディアに天井があるんです。なので、みんなでディスカッションしてみたんですが、やっぱり広がりが出ますね。んで、ショーの面白さも増すわけです。
スタイリングは三田真一さん、ヘアメイクは奥平正芳さんにお願いしていますが、僕のストロングポイントであるディテールへのこだわりを三田さんが絶妙にスタイリングしてくれましたし、奥平さんが自作している骨組みのヘッドアクセサリーは服の色が白黒ベースで控えめなだけに、強いアクセントになりました。 僕らは服単体でもちろん目一杯の完成度を追求するのですが、服って着てもらってナンボ。服だけで完成形とは思わないんです。完成度高く作ったものを、さらに格上げしてくれるのが一緒にショーを作るスタッフなんです。ここ1、2回はほんまにそういう風に感じました。
記事の最初でも紹介した通り、今回は特別に映画監督の小島央大さんにショートムービーを撮ってもらいました。それで、公開してる動画は、はじめにショートムービー、その後に実際のフィジカルショーという構成になっている、というわけです。
ショートムービーはショー当日の午前中に撮影したのですが、めちゃくちゃ天気が良くて、風も適度に吹いて、すごく気持ちのいい映像になりました。
今回のテーマは「凧」ですから、つきものの風がないと話にならない。で、風って目に見えないから布のなびきで表現しなければならない。服が風になびき動くことで風の存在を見る人の目に焼きつけることができるーー。そんなことを考えながらムービーを上手く作ってもらいました。
ロケはオフィスの屋上で、手すりもないとこ。さらに寒かったですから、モデルさんも撮影隊も大変だったと思います。ありがたいことです。 そうそう、思い出しましたが、ショー当日に朝ごはんで卵を割ったんです。そしたら、黄身が双子だったんです!自分は縁起を担ぐとこがあるんで、ショーの成功は朝の卵割った瞬間に確信しましたね。笑
で、 ショートムービーとの組み合わせ含め、今回もやりたいことを目一杯やれてました。本当に良かったし、ショーの直後から30分ぐらいは興奮が続いてました。
ただ、31分ぐらいからは「言うても、まあまあやったかもな」と反省モードに。 「あの服、もっとディテール足しといた方が良かったな」とか「ステッチをあれと違うやつに変えとくべきやった」等々、出てくる出てくる…。
これってモノを作る人間の性(さが)みたいなもんかもしれません。目一杯やったはずやと思っても、終わってみたら物足りなさを感じて、次はもっと、もっとって。 逆に言えば、満足してしまったら次は作れないかもしれない。だって満足してるんやから。泳ぎ続けないとダメなマグロみたいなもんかもしれません。ちゃうかな?
いずれにせよ、次もまた頑張ります。 ご視聴いただいた皆さん、ありがとうございました。