以前告知を出しましたが、9月13日から始まった、京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)が主催する特別展「LOVEファッションー私を着がえるとき」に、yoshiokuboの作品を3体展示してもらっています。 せっかくの機会なので現地に見に行ったのですが、なかなかの迫力でした。
亡霊が人に乗り移るような不思議な情景を表現した作品
2023年春夏のシーズンテーマは「HITODAMA(人魂)」を掲げ、透かし彫りや組子といった日本古来の「透ける技法」に着想を得たテクニックや、カラフルで透明感のあるテキスタイルを駆使して昇華されたアイテムを展開しました。
そのコレクションピースとして作ったのが、「熊、金剛力士、獅子舞」で、どれも全長2メートル超の巨大なもの。それを総チュールで縫い上げた超々難易度の力作です。
実際に3体が並んでいるのを見ると圧巻!
感動したのと、制作時のハードな日々が思い起こされて、すぐに写真を撮ってパタンナーと縫製チームにLINEで「こんなふうに展示されてるで!」と送りました。 本当に大変やったけど、報われた瞬間です。
発表時のランウェイショーではモデルに着てもらうことでチュールが複雑に重なり合う妙味を楽しんでもらいましたが、トルソーに着せて展示する今回の見せ方ではまた違った見え方を楽しんでもらえるかと思います。
この展示について声がかかったのはちょうど1年前。まさか自分の服が美術館に展示されるとは思いもしなかったので、いざ本当に展示されているのを見ると貴重な体験やな、と感じました。 しかも、自分のブランドが20周年を迎えるタイミングにこんな機会に恵まれて、親にも見てもらえたのでいい親孝行になったはずです。
自分の作品の隣に「あの時のあの人の作品が!」
自分の隣に展示されていた作品が、自分が駆け出しだったころにパリで見かけたのと同じものだったことにもびっくりしました! 幾重ものアコーディオンプリーツで仕立てた立体的な作品は、当時はただただ「めっちゃすごい! どうやって作ったんや!?」と衝撃を受けたのですが、その作品と自分の服が並んでいるのは感慨深いものです。他にも、誰もが知っているようなファッションデザイナーの作品、18世紀の豪華なドレス、現代アートのような作品など、服飾をテーマに時代やテイストを超えた数々が一挙に展示されていました。
これだけの量をこうして間近に見られる機会はそうはないはず。京都のあとは、熊本と東京に巡回するとのことなので、ぜひファッション好きはもちろん、そうでない人もこの機会に目の保養に足を運んでみてほしいです。
■詳細
「LOVEファッションー私を着がえるとき」
主催:京都国立近代美術館、公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)
京都会場:京都国立近代美術館
会期:2024 年 9 月 13 日(金)~ 11 月 24 日(日)
熊本会場:熊本市現代美術館
会期:2024 年 12 月 21 日(土)~ 2025年 3 月 2 日(日)
東京会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2025 年 4 月 16 日(水)~ 2025年 6 月 22 日(日)
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