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上海出張での発見と決意の話

2024年1月ももう半ば。ですが、ちょっと昨年の話を。

実は昨年11月、久しぶりに上海出張に行ってきました。これが、「自分、変わったなぁ」ということと、「今後の頑張りどころはここだな」ということに気付かされる数日間だったので、振り返りがてら記事にしていきます。

これまでの記事でも紹介しましたが、僕は中国に行く機会が多く、過去に何度も足を運んでいます。が、今回はこれまでの関わりとはまったく別のプロジェクトで招待され、商談だけでなく、今の上海の様子やファッションショーなどを見る機会も作ってもらいました。

職業柄、結構海外には行くんですが、今振り返ると、その都度どこか緊張感があるというか、遠慮や慎重さが先に立って会話することがほとんどだったように思います。 普段の僕を知っているひとなら、「あの久保さんが!?」と言われるかもしれませんが、まったくざっくばらんに話せてないなぁという感じ。

それが、コロナ禍を除いて直近5年くらい、「言葉の違いなんて気にしないで、日本語でがんがん喋ったろ」という気持ちに変わったんです。そうすると何でか、行く先々で会うひととめちゃくちゃ仲良くなれるんですよね。正直さは万国共通で通じ合う何かがあるんでしょう。

これは仕事だけでなく、旅先のレストランでも同じことです。
今回の上海出張では取引先のひとがレストランや宿の手配もしてくれたのですが、中でもレストランが「中国出張で初めての大アタリ!」というくらい良かったんです。 キレイで安くて、めっちゃうまい! それもそのはず、中国の有名実業家や俳優も通うようなところだったらしく、彼らと店主の写真が壁一面に飾られていました。 (アリババグループの元CEOジャック・マー氏とオーナーのツーショット) (上海のおいしいのがいっぱい出てきた) (ビル1棟がレストランになってる「開心食堂」)

そこのオーナーもめちゃくちゃフレンドリーで、がんがん喋ってたら意気投合。いつの間にか仲良くなって、紹興酒を振る舞ってもらい、「今日はここ奢るから、オレが日本に行ったらカラオケと食事を奢ってくれ!」との約束を交わすほどになりました。あのおっさん、いつ来るんやろう? …それはそれで楽しみです。

そんなおもしろい上海の夜を過ごしたのですが、別の日には奮い立つような体験もしました。

まず、2015年に始まったという上海のデザイナーズブランド「ATTEMPT」の店舗を見てきたのですが、彼らのバイタリティがとにかくすごい! 自分たちで店舗を構えて、生産工場を持ち、卸業者を通さずに独自に販売している姿からは、「自分たちでリスクをとってマーケットに打って出る!」という情熱がほとばしっていました。 (「ATTEMPT(アテンプト)」の店舗内)

今、どの国でも若手ファッションクリエイターのレベルは上がっていると思います。それは、Instagramのような情報発信できるプラットフォームに加え、生成AIのような新しい技術が出てきたことで、“レベルが上がる素地が整った”ということなのかなぁと考えているところです。みんながデザイナーとして何かを作れるし、AIをデザイナーにしてモノづくりすることもできるのでしょう。すごい世の中になりました。

一昔前は、「デザインがキモで、それをPRする」というのが業界の当たり前でしたが、今はやっぱり「デザインよりいかにPRするか」ということなのかもしれません。 「ATTEMPT」の中で働く子たちからも、「自分たちで在庫を持ち、意地でも商品を売っていく!」という心意気を感じました。

一方で、そんな変化が起こっている中でもイマジネーションを振り絞って、「こんなデザイン見たことないな!!」というのを出しているデザイナーたちもやっぱりいます。 同じく上海で2017年から活動している「not SHOWROOM」で出会ったデザイナーたちがまさにそれ。アツい情熱、強い心意気がそこここから伝わってきました。 (「not SHOWROOM」の外観) (「not SHOWROOM」のデザイナーたち) (馴染みまくっているけど、左が僕です)

じゃあ振り返って、自分はどうか?
僕の場合、yoshiokuboとmuller of yoshiokuboを合わせて毎シーズン100着くらいの新しい服を出しています。どれも“置きにいくデザイン”はしていないし、「ちょっと違う、ではなく、唯一無二」を目指して本当に新しいものを作り出していると自負しています。

ただ、上海で「ATTEMPT」や「Not SHOWROOM」を目の当たりにしたり、最近の業界事情なんかを見たりしていると、「今まで以上に1点1点に想いを込めて仕上げていかないといけない!」と改めて考えるようになりました。それはまさに【一球入魂】ということ。そのくらいの勢いがないといけないな、と気付かされました。

ということで、2024年はもっと一球入魂で服作りしていきます。 ぜひ本年もご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

2024年1月 久保嘉男

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