前回と前々回、丁稚奉公時代のNY生活について綴りました。
■丁稚奉公@NYの思い出
■丁稚時代のオフ時間@NY
そのNYの丁稚時代に、師匠のオートクチュールデザイナー、ロバート・デンスがよく使っていたテキスタイルブランド「マリア・ケント」について今日は書いてみようと思います。と言うのも実は、次の「ヨシオクボ」で久々に使うからなんです。
マリア・ケントのアトリエはパリの北西、高級住宅地の17区にあります。毎年10月に開催される競馬の凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場があるブローニュの森の北側、セーヌ川の近くにそのアトリエはあります。有名な観光地、凱旋門の少し奥側と言った方がわかりやすいですかね。
マリア・ケントの代名詞と言えば、ファンシーヤーン(意匠糸)を使ったツイードが有名です。通常、イメージする真っ直ぐな糸ではなく、糸そのものの形状がデザインされているのですから、それで織った生地の表面は立体感があり、非常に特徴的なものになります。諸説はあるようですが、「シャネル」が多用する世界的に有名なツイードも、最初はここのものが使われていたそうです。
(マリア・ケントのアトリエ外観とテキスタイル)
とにかく色使いが素晴らしく、自分なんかが思いもつかないような色のコンビネーションを出してくるんです。糸そのものもここが開発しているので、それはもう、ここにしかないテキスタイルができるのも当然なわけです。
3、4回はアトリエに訪れていますが、誰もやらないような柄の組み合わせのテキスタイルがそこかしこにあって、毎回驚かされますし、すごく楽しいんです。しかも、僕みたいなデザイナーでも別注を受けてくれるんですよ。
アトリエの空気感も良くて、建物に入るとインターンの職人なんかが居てて、サンプルを織っているんです。こんな場所だからこそ、あんなに自由な発想のテキスタイルが出来上がるのだな、と納得できます。場所とか空気感とかってほんま大切ですよね。
(アトリエの写真)
NYで初めて出会ったマリア・ケントのスパンコールの生地は日本に持って帰り、今でも自分のオフィスにあります。それぐらい素敵なテキスタイルなんです。とは言え、1メートルで1万円以上の生地なのでそうたくさんは使えません。次のヨシオクボでは少しお見せすることが出来るので、実物を手に取ってみてくださいね。
(yoshiokubo Fall/ Winter 2016 Paris Fashion Weekで実際にマリア・ケントの生地を使用したルック)
翻(ひるがえ)って、日本にも実は素晴らしい生地屋さんがあります。例えばA-GIRLS(和歌山)さん。ないものを作ろうというスピリットがいつも感じられますし、いいカットソーを作ろうと命かけてます。
他にも、最近は取引はないですが、カワムラテキスタイル(東京)さんも好きです。面白いことをしようとしているのが伝わりますから。
(中伝機織さんの工場内)
中伝機織(岐阜)さんは歴史のある大きな会社。ありとあらゆる生地をもつ素晴らしいテキスタイルメーカーです。パリのマリア・ケントは僕の中では別格ですが、日本にも素敵なテキスタイルを紡ぐ会社はたくさんあるんです。いずれ改めて紹介したいと思います。
■丁稚奉公@NYの思い出
■丁稚時代のオフ時間@NY
そのNYの丁稚時代に、師匠のオートクチュールデザイナー、ロバート・デンスがよく使っていたテキスタイルブランド「マリア・ケント」について今日は書いてみようと思います。と言うのも実は、次の「ヨシオクボ」で久々に使うからなんです。
マリア・ケントのアトリエはパリの北西、高級住宅地の17区にあります。毎年10月に開催される競馬の凱旋門賞が行われるロンシャン競馬場があるブローニュの森の北側、セーヌ川の近くにそのアトリエはあります。有名な観光地、凱旋門の少し奥側と言った方がわかりやすいですかね。
マリア・ケントの代名詞と言えば、ファンシーヤーン(意匠糸)を使ったツイードが有名です。通常、イメージする真っ直ぐな糸ではなく、糸そのものの形状がデザインされているのですから、それで織った生地の表面は立体感があり、非常に特徴的なものになります。諸説はあるようですが、「シャネル」が多用する世界的に有名なツイードも、最初はここのものが使われていたそうです。
(マリア・ケントのアトリエ外観とテキスタイル)
とにかく色使いが素晴らしく、自分なんかが思いもつかないような色のコンビネーションを出してくるんです。糸そのものもここが開発しているので、それはもう、ここにしかないテキスタイルができるのも当然なわけです。
3、4回はアトリエに訪れていますが、誰もやらないような柄の組み合わせのテキスタイルがそこかしこにあって、毎回驚かされますし、すごく楽しいんです。しかも、僕みたいなデザイナーでも別注を受けてくれるんですよ。
アトリエの空気感も良くて、建物に入るとインターンの職人なんかが居てて、サンプルを織っているんです。こんな場所だからこそ、あんなに自由な発想のテキスタイルが出来上がるのだな、と納得できます。場所とか空気感とかってほんま大切ですよね。
(アトリエの写真)
NYで初めて出会ったマリア・ケントのスパンコールの生地は日本に持って帰り、今でも自分のオフィスにあります。それぐらい素敵なテキスタイルなんです。とは言え、1メートルで1万円以上の生地なのでそうたくさんは使えません。次のヨシオクボでは少しお見せすることが出来るので、実物を手に取ってみてくださいね。
(yoshiokubo Fall/ Winter 2016 Paris Fashion Weekで実際にマリア・ケントの生地を使用したルック)
翻(ひるがえ)って、日本にも実は素晴らしい生地屋さんがあります。例えばA-GIRLS(和歌山)さん。ないものを作ろうというスピリットがいつも感じられますし、いいカットソーを作ろうと命かけてます。
他にも、最近は取引はないですが、カワムラテキスタイル(東京)さんも好きです。面白いことをしようとしているのが伝わりますから。
(中伝機織さんの工場内)
中伝機織(岐阜)さんは歴史のある大きな会社。ありとあらゆる生地をもつ素晴らしいテキスタイルメーカーです。パリのマリア・ケントは僕の中では別格ですが、日本にも素敵なテキスタイルを紡ぐ会社はたくさんあるんです。いずれ改めて紹介したいと思います。