デザイナー久保のすぐそばで、日々服づくりに携わる企画スタッフに25年春夏コレクションの制作裏話をヒアリング。
―紹介したいアイテムは?
―選んだ理由は?
25SSの中でも特に印象的だった一着。
“ヴィンテージ”や“古着”といった現在のファッションムードを取り入れながらも、yoshiokuboらしいギミックが詰まっています。
実はこのシャツ、デザイナー久保がNYで修業していた頃に、自ら制作・着用していた迷彩パンツと同じ手法を用いているんです。まさに過去の記憶を再構築したリバイバル。
ファッションが時を巡りながら、再び新しいかたちになるという面白さが、この一着には込められています。
詳しくは、yoshiokuboオンラインストア内 Journalの「ファッションデザイナーと洋服のリメイク・アップサイクルの話その2」でもご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。それでは、こだわりのディテールをご紹介します。
特徴1:染色について
商品名の通り、よく見るとカモ柄。いわゆる“迷彩柄”なのですが、そこにひねりを加え、独自の表現に仕上げています。
もうちょっと掘り下げていきましょう。
このシャツで用いた「反応染め」という染色手法について。これは、コットンや麻など植物繊維に適した染め方で、色落ちしにくく、耐久性にも優れているのが特徴です。
サンプル段階では、染料の濃度や見え方を確認するため、何度もスタディを重ねました。
また、縫製後に染める「製品染め」を採用しており、縫い糸にはポリエステルを使用しています。
この糸は染まらないため、あらかじめ糸色をコントロールすることで、全体のカラーバランスをデザインしています。
こういうところが、目立たないようで実は計算されたポイントなんです。
ネームタグはあらかじめ縫い付けて染めるのに対し、品質表示タグは染色後に縫製しています。
これは、万が一染料がタグに染み出すのを防ぐための配慮です。
なお、染色は大型の機械で複数枚をまとめて行うため、色ブレのリスクもあります。
それをコントロールするのは、生産工場の高い技術あってこそです。
特徴2:スプラッシュ加工について
ベースとなる生地に対して特殊な染料を使い、1点ずつ手作業で仕上げています。
“ペンキが跳ねた”ような風合いがSPLASH DARK CAMO S/S SHIRTの面白いところ。
よく見ると、フロント全体には大胆に、背面は裾を中心に上部へ向かってグラデーション状に配置しています。
スプラッシュの密度を前後で変えることで、ワーク感のあるニュアンスを演出しました。
加工の工程でも工夫があります。
フロントを合わせた状態で平置きし、均等に染料を飛ばしてから、最後にボタンを取り付けています。
(そのため、1点ごとに微妙に違ったスプラッシュが描かれています。オンラインで購入される場合は「偶然巡り合った1着」を、店舗で購入されるなら「数着の中から最もフィーリングが合う1着」を、手に取ってもらえたら嬉しいです。)
特徴3:縫製について
すごくカジュアルな雰囲気とは対照的に、ステッチ幅は細かくするドレスシャツに見られる仕様を取り入れているのも推したいポイントです。
縫い代は「折伏せ縫い」を採用し、耐久性を高めました。
アームホールや脇線など、強度が必要な部分にもこの技法が用いられています。
縫い代部分に生まれる“パッカリング”と呼ばれる細かなシワもポイント。
これは、染色や洗いの工程で生地が縮むことによって現れる自然な表情で、たとえばMA-1などでもよく見られるディテールです。
今回のシャツでも、このパッカリングが自然な風合いを演出してくれています。
着心地には影響せず、むしろ味わいのある仕上がりになっています。
ドレスシャツのような精緻な縫製と、ワークシャツのようなラフな表情。
この“いいとこ取り”のハイブリッド感こそが、コレクションブランドならではの魅力だと思います。
一枚でも、羽織としても着まわせる開襟シャツ。
素材もシーズンレスなので、着方次第で一年を通して活躍します。
少しでも気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
ゴールデンウィークの配送に関して
yoshiokuboオンラインストアでは、下記の期間、休業させていただきます。
【GWの休業期間】
2025年5月3日(土)~2025年5月6日(火)
【配送に関して】
5月2日(金)10:00AMまでのご注文→GW休業期間前に商品を発送
5月2日(金)10:00AM以降のご注文→5/7(水)以降、順次商品を発送
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